恒例の小正月行事「どんど焼き」の全国・国際調査集計平成31年版を公開

日本の小正月新年行事は世界的無形文化遺産の価値 コミュニティの持続可能な発展への取り組みを儀礼化した地域の誇り
 ~恒例の小正月行事「どんど焼き」の全国・国際調査集計平成31年版を公開~

   NPO法人地域資料デジタル化研究会は、平成15年より、報道機関のWEB版に掲載されたニュース記事などを主な情報源として、キュレーション(Curation)というIT手法によって、小正月火祭り行事である「どんど焼き」が国民的行事であることを明らかにするとともに、どんど焼きを中心とした小正月行事の実施状況を継続調査してきました。調査対象も国内から海外に拡大し、世界の新春、新年を迎える広義の正月行事についてデータ収集と分析を継続しております。

 本調査では、「平成」が終わることに伴い、これまで16年間の世界各地の新年行事データ分析を基に集約を行い、日本の小正月行事について、現代的な意義付けをこめて、「小正月行事は地域住民が集落の持続可能な発展への取り組みを儀礼化した地域文化遺産」と定義いたしました。そのうえで、中東の新年祝祭「ノウルーズ」がユネスコの世界無形文化遺産に登録されたことから、同様の新年祝祭である日本の「小正月行事」についても、世界的な無形文化遺産価値について、正当な評価を定める段階に来ていることを問題提起しております。
 以上の調査結果の詳細データは一覧表で公開いたしました。

 小正月行事「どんど焼き」の全国・国際調査集計(平成31年版)サイトはこちら  

 これまでの調査集計により、日本のどんど焼きは、独自の国民的行事ではなく、アジア、ヨーロッパの各地で類似の新年焚き火行事が行われていることが判明しました。新年を迎えての集落農耕儀礼である「テボルム・タルジプ焼き」(韓国)、「エピファニー・ピニャルル」(イタリア)、中央アジアの春分を新年とする祝祭「ノウルーズ」(イランなど)、スウェーデンの新春祝祭「バルボリ焼き」など、燃え上がる「焚き火」に、この1年の無病息災や豊作、厄払い(悪魔払い)を祈願しています。
 日本の新年来訪神行事である「ナマハゲ」「アマハゲ」「スネカ」などについても、類似の新年仮装行事「クランプス」「ブショー」「クケリ」など“鬼”に仮装した来訪神(精霊)行事が欧州各国で広く行われていることも明らかになりました。
 以上の調査結果により、新年の火祭り、農業予祝、厄払いのオニ行事など新年行事は、ユーラシア大陸の西端スウェーデンから東端の日本まで、各地で共通して行われていることが確認できました。具体的なデータの裏付けにより、ユーラシア大陸の集落を単位とした新年民俗行事の全容が明らかになったことは特筆すべき成果であります。

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