サスティナブル・アーカイブ・ギャラリーあまのがわ 2023年7月23日公開!!

小規模でリーズナブル、サーバ移転も可能な持続可能性を追求したデジタルアーカイブスタイルを構築。第一弾として『関本家資料デジタルアーカイブ』を公開いたしました。

 特定非営利活動法人地域資料デジタル化研究会(小林是綱理事長:以下「デジ研」)は、地域に残る歴史や文化を伝える地域資料をデジタル化して、誰もが利用できるデジタルアーカイブのスタイルとして、「サスティナブル・アーカイブ・ギャラリー あまのがわ(以下「あまのがわ」)を公開いたします。
 従来のデジタルアーカイブにおいては、特定のサーバシステム上での運用が前提となり、初期費用に加え月々のランニングコストが大きな負担となり、予算面で小規模なデジタルアーカイブが構築むつかしいのが現状でした。またすでにデジタルアーカイブを運営している団体においても、維持管理予算の削減等を目的とした他社への乗り換えや移転がむつかしく、予算が尽きればデジタルアーカイブを閉鎖せざるを得ない状況がありました。これらのことからデジ研ではより持続可能なデジタルアーカイブのスタイルを模索し研究してきた結果、デジタルアーカイブの原点に立ち戻ったスタイルとして持続可能なデジタルアーカイブスタイル「サスティナブル・アーカイブ・ギャラリーあまのがわ」を開発するに至りました。
 あまのがわでは、デジタル化した 各種メディアデータおよび目録情報を中間生成物として扱わず、それ自体がデジタルアーカイブの本体として取り扱います。そのマスターを元に閲覧・共有のための大量のウェブページを自動生成するスタイルとなります。

【ポイント】

  1. マスターメディアデータ(画像データ、音声データ、動画データ、3Dデータ)と
  2. 目録情報(タイトル、ふりがな、種類、年代、場所等の情報)を本体とする
  3. 上記1、2をマスターデータとし、生成型静的ウェブ(HTML、CSS、JavaScript)で自動生成。
  4. これらをUSBメモリ等へパッケージング
  5. インターネット公開時には、Google等の検索機能を組み込み、アクセス統計も計測する

かたちとなります。

 特に既存のデジタルアーカイブがウェブ上での完成形のために1、2を中間生成物として取り扱いがちになること、デジタルアーカイブの完成形をウェブ上のサイトとするためシステムの維持管理およびシステムの更新等にコストがかかることが挙げられます。あまのがわスタイルでは、1、2のマスターデータこそがデジタルアーカイブの本体であり、ウェブは共有のための表現方法のひとつとして、静的なHTMLファイルとCSSによる表現を基本としています。そのため特別なデータベースシステムやデジタルアーカイブシステムではなく、一般的なレンタルサーバのウェブサーバでの公開が可能となります。デジタルアーカイブ運営者の諸事情によりサーバ等の移転を余儀なくされた場合においても、問題なく公開閲覧できるのはもちろんのこと、USBメモリやHDD/SSDなどのローカル環境においても一般的なブラウザを用いたWebページの閲覧が可能となります。
 デジ研ではこのあまのがわスタイルを普及させるために、中小規模のデジタルアーカイブ構築を受託するとともに、普及のための技術サポートや技術セミナーなどを開催していく予定です。高度な技術を追求するあまりに複雑になりすぎたデジタルアーカイブに対して、レガシーな静的HTMLとCSSによるデジタルアーカイブが、もっとも持続可能性が高いことを伝えるとともに、今後もこのスタイルによる表現を追求していく予定です。


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