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デジタル版山梨方言集2002−デジタル活用説明会

『デジタル版山梨方言集2002−デジタル活用説明会−』報告書

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期日 : 2003年7月12日(土)13:30〜15:30
場所 : 山梨県石和町・常徳寺客殿
主催 : 八ヶ岳高原ことばの学校
説明 : 山梨ことばの会
     地域資料デジタル化研究会

参加者 : 山梨ことばの会3名(小林理事長を含む)
       八ヶ岳大泉図書館5名 
       田富町立図書館1名
       一宮町立図書館1名
       地域資料デジタル化研究会4名

<ポイント>
1.デジタル番山梨方言集作成の経緯<これまで>
2.デジタル版山梨方言集の今後<これから>
3.デジタル版山梨方言集2002の利用方法

1.2は、山梨ことばの会のメンバーであり、国立国語研究所の吉田雅子さんによる
解説、3.につては、デジ研の丸山さん、内藤さんによる説明があった。

1.デジタル番山梨方言集作成の経緯<これまで>

 山梨ことばの会では、2000(H13)年10月から、方言辞典作成に着手している。
その経緯として、山梨各地に方言集は沢山あるが(H15年7月12日現在概数把握で
850点)「方言辞典」がない!!というのが事の始まり。

そこで、山梨ことばの会のメンバーで、方言辞典を作ろうと地道な活動を続けてきた。
その主な活動として、山梨方言データベースの構築があげられる。
既存の山梨方言の資料集を基に、データ入力マニュアルに則って入力し、さらに、調査研究と進めているが、それは実に大変な作業である。

しかし、今回「デジタル版山梨方言集2002」を作成したことにより、
@ 八ヶ岳高原ことばの学校、山梨ことばの会、地域資料デジタル化研究会の
 相互の協力が得られた。

A 更に、この作品が公開参加型に近づいたと言うことは、大きな意味があると考える。
 近年、この公開参加型と言う形態は増えつつあり、明確な出版者のもとに作品を公
開するのではなく、まず作品の制作を公表し、広く参加を求めると言う形式。

B そして今回、「デジタル版山梨方言集2002」として、ひとつの成果物を造り
上げたことで今後継続していくデジタル集に、利用者の声を反映できる。

2.デジタル版山梨方言集の今後<これから>

 今回、「2002」版を作ったが、今後「2003」版「2004」版「20XX」版と継続していく考えである。

 今後の問題点の解決に向けては、引きやすいか?使いやすいか?改善点は?
等々あるが、多くの利用者の声を聞きたいと思っている。
デジタル版の方言集に、吉田さんの連絡先を載せてあるので、どんな意見でも気軽に寄せて欲しい。
そして、更なるデータベースの蓄積と、辞典形成を目指していきたい。

これからの作業としては・・・
・データベース構築の為の作業を継続する
・他の方言データベース、デジタルデータとの連携
・追加調査、フィールドワーク
  今回のデジタル版も、追加調査を行っていく予定。


3.デジタル版山梨方言集2002の利用方法

デジ研、丸山さん、内藤さん

 まずは、今回のデジタル版山梨方言集の製作にあたり、フォーマットとして、電子ブック(EBXA)、EPWing形式を採用したことの説明があった。
これにより電子ブック閲覧ソフトで、CD-ROMからの検索や、データをパソコンにコピーすることで、複数の電子ブックを横断的(串刺し)で検索でき、「山梨方言集」と「広辞苑」などを、あたかも一冊の辞書として検索するし、比較することができる点などの説明があった。


<操作説明>
マイコンピュータを開き、「hogen2002」をクリック。
mac用とwindows用に分かれているが、今回はwin用で説明。
win用のフォルダをクリックすると、電子ブックを見るためのソフトが2つ入っている。
どちらかを選択するが、
・DDWinは、フリーウェア
・Jammingは、シェアウェア
である。この操作は1回目のみ。インストール用の手順。


方言辞典の特徴
・方言・意味からの検索が可能。
・単語の前・後のことばによる検索が可能。(前方一致、後方一致)
 この、後方一致は今までの辞書では出来なかったことである。
 例) 「ずら」と入力。
    後方で検索すると、「いいずら、そーずら、なんずら」など
    後ろに「ずら」のつくことばが検索される。

・今回「2002」版には、4冊の方言集が出典されているが、全文にその中の一冊
     「松のしらべ方言伝説号第23号 赤岡重樹編 1925T14 」
 と入力し、検索することによって、このデジタル版方言集の中から
 「松のしらべ」の方言だけを引き出すことができ、
 印刷することにより、冊子として手元に置くことも可能となる。
 このことは、今回の説明会の中で出た
 「こんな使い方もあるのでは・・・、あんな使い方もあるのでは・・」
 と言う意見から、出てきた活用方法。
 尚、今回このデジタル版を作るにあたっては、方言集の著者に利用許諾をとってい
ます。 

・更に、このデジタル版を何回か説明している丸山さんから、気付いたこととして
 キーワード検索が可能であることが、紹介された。
 例)鳥名・魚名・植物名
 と入力し、全文で検索。
 すると、方言で呼ばれている鳥や魚の名前が検索できる。
 これは、意味の所に(鳥名)と入力してあるから可能になったことですが
 この方法でデータが蓄積されていくと、いずれ
 「デジタル版山梨方言鳥図鑑」なども、できるのでは・・・という、頼もしい意見が出た。

 吉田さんによると、いろんな検索方法を見越した上でキーワードを入力していとのこと。
 そうしておくことにより、山梨ばかりでなく他県のデータも加われば地方単位にとどまらない活用が可能となるのである。
 さらに、アクセントを表記することも今後行っていきたい。

・他にも、山日百科辞典のCD-ROMを一緒に活用する(井尻事務局長宣伝)ことで、もっと有効的な使い方ができるという意見も出た。

 このように、短時間ではありましたが、更にいろんな発見がありました。
理事長からは、デジタルライブラリアンの能力を発揮して頂き、大いに活用して貰いたい
と言うお言葉がありました。
それを受けて、八ヶ岳高原ことばの学校からは、本日の参加者には特別にCD-ROMを無料で配布するので活用していただきたいこと、今回参加していただけなかった館には、問い合わせがあった場合のみ配布すると言うお話でした。
また当初、今年度の予算は取れないというお話でしたが、八ヶ岳の館長から、「なんとかなりそう・・・」と言うお言葉を聞けました。
参加者一同、「良い物ができた・・・」と言う空気の中、次作へ繋がる・・・と言う確信を持って説明会を終えることができました。

以上(記録:堀水)